一度貼ってしまうと簡単には剥がれない、優れた耐久性を誇る「カッティングシート」。街中の看板や窓ガラスなどにも多く使用されている便利な素材ですが、いざ剥がす場合には注意が必要です。
この記事では、カッティングシートを剥がす際に必要な道具や、糊残りを防いで綺麗に剥がすための順序やポイントをご紹介していきます。
目次
カッティングシートの素材の特性について
カッティングシートを剥がす作業を始める前に、まずはカッティングシートの素材の特性を理解しておきましょう。
塩化ビニール製の薄いシートであるカッティングシートは「熱」を加えると柔らかくなるという特性を持っています。そのため、プロはヒートガンを使いますがなければドライヤーや熱湯などで熱を加えながら剥がすという方法があります。熱を加えながらゆっくりと剥がすことで、貼り付け面の傷を防ぐことができます。
カッティングシートを剥がす際に必要なもの
■ドライヤー・熱湯
先述した通り、カッティングシートは熱を加えるこで柔らかくなるという特性を持っています。準備するドライヤーは 、髪を乾かす時に使用する一般的家庭用のもので大丈夫です。
■シール剥がしスプレー
粘着力が強い場合は、ドライヤーなどの熱とシール剥がしスプレーを併用することをおすすめします。ただし、シール剥がしスプレーには多くの種類があります。必ず「塩化ビニール素材」に使用できるものを選びましょう。また、薬剤の強度が強すぎると接着面(壁など)の色落ちの原因にもなります。注意書きをよく読んで選びましょう。シール剥がしスプレーは、ホームセンターやネット通販などで手に入れることができます。
■スクレイパー(ヘラ)
手で剥がすことが難しい場合には、スクレイパー(ヘラ)などでカッティングシートを削り取っていきます。スクレイパーに関しても様々な種類がありますが、プラスチック製やカーボン素材のものがおすすめです。本体を寝かせて使える薄型のデザインで、ガラス面への使用に適したステンレス刃を装着したガラス用スクレーパーもあります。
■除光液・消しゴム
残った糊を除去する際、貼り付け面がプラスチックの場合は、除光液や消しゴムなどを使用することもできます。ただし糊残りの範囲が広い場合や粘着が強い場合は、シール剥がしスプレーを使用することをおすすめします。
■新聞紙・ビニール・古布など
シール剥がしスプレーなどの飛び散りを防ぐために使用します。また、仕上げの清掃時用に雑巾や古布などを用意して養生しましょう。
カッティングシートを剥がす際の手順
ここでは、シール剥がしスプレーとドライヤーと併用してカッティングシートを剥がす手順を紹介しています。
粘着の強度や剥がす範囲の大きさ・場所によっては、ドライヤーの熱のみや、スプレーのみで剥がす方法もあります。それぞれの状況に応じて適切な方法を試してみましょう。
■目立たないところでシール剥がしスプレーのテストをする
シール剥がしスプレーの薬剤は、用途に合わせてさまざまな強度のものあります。薬剤の強度が高いほどシール剥がしの効果は高くなりますが、その分施工面にかかる負担も大きくなります。壁などの大きな面のシートを剥がす場合、まずは目立たない小さな面にシール剥がしスプレーを吹きかけ、色落ち具合などを確認をしてから施工すると安心です。
■カッティングシートにシール剥がしスプレーを吹き付ける
記載の使用方法通りに、シール剥がしスプレーをカッティングシート全体にまんべんなく吹きかけていきます。この際、スプレーの薬液がかかってはいけないものには、ビニールなど養生フィルムでしっかりとカバーしておきましょう。
■薬剤が浸透するまで数分間待つ
記載の使用方法に従って、シール剥がしスプレーの薬液が浸透するのを待ちます。大体2〜5分ほどでカッティングシートがシワシワになり浮き上がってきます。シートが浮き上がってこない場合はもう5分程待ってみます。薬剤が足りないようであれば再度スプレーを吹き付けましょう。
■ドライヤーで熱を加えながらシートを剥がしていく
浮き上がってきたカッティングシートを手やスクレイパー(ヘラ)を使って剥がしていきます。この際、強引に剥がそうとすると、施工面を傷つけてしまう可能性があります。シートの端から少しずつめくり焦らず丁寧に作業していきましょう。粘着力が強い場合は、ドライヤーの熱を加えて糊を溶かしながら作業を行います。熱を加える際は、施工面への影響にも配慮しながら、手でギリギリ触れるくらいの温度を目安にします。
■仕上げ作業
カッティングシートを剥がし終えあと、ベタベタとした糊残りがある場合は、再度シール剥がしスプレーなどで糊の除去を行います。貼り付け面がプラスチックの場合は、除光液や消しゴムなどを使用して除去していく方法もあります。
まとめ
一度貼ったカッティングシートを剥がす際は、壁や窓ガラスを汚したり傷つけてしまわないように、手順に沿って焦らず丁寧に作業していきましょう。