看板シートは高額ですから、企業にとって大きな買い物です。
しかし、看板シートは業務に必要な資産として認められているため、減価償却として計上することができます。
減価償却期間は看板シートの耐用年数によって変わりますので、きちんと把握しておくことが必要です。
ここでは、看板シートの耐用年数や減価償却期間について詳しく解説します。
減価償却とは
看板シートは減価償却資産として認められている
減価償却とは、業務で使用するものを購入した際に
一度に全額を購入費用として計上するのではなく、分割して計上できるシステムのことです。
ただし、業務で使用するものなら何でも減価償却として計上できるわけでなく、資産として認められるものでなくてはなりません。
資産は時間とともに価値が下がることを前提に適用されたシステムであるため、
時間が経っても価値が下がらないものは減価償却資産として認められません。
代表的な減価償却資産としては、社用車やパソコン、応接室のソファーなどが挙げられます。
また、
看板シートは減価償却資産として認められていますので、新しく看板を作った際には減価償却で計上することができます。
減価償却として計上するメリット
減価償却として計上するメリットは、
法人税の節約と財務状況を良く見せられることの大きく2つが挙げられます。
法人税が節約できるのは、減価償却費を数年に分けて計上することで会計上の利益を抑えられるからです。
また、購入費用を一括で計上すると会計上で赤字となってしまい、融資などに影響することがありますが、数年に分けて計上すると費用負担を抑え、財務状況を良く見せることが可能です。
減価償却期間の決まり
看板シートを減価償却として計上できる期間は、それぞれの
看板シートの耐用年数によって異なります。
例えば、耐用年数が3年の場合は、3年間減価償却として計上できます。
看板の費用が30万円で耐用年数が3年なら、1年目、2年目、3年目にそれぞれ10万円を減価償却費として計上します。
また、減価償却が適用されるのは看板シートを使い始めた時からで、支払いが完了している・していないに関わらず減価償却として計上できます。
勘違いやミスで間違った減価償却を計上してしまうと、税務調査で指摘されることもありますので気をつけましょう。
看板ごとの耐用年数
看板には色々な種類があり、それぞれ耐用年数が異なります。
減価償却を会計上で賢く活用するためには、耐用年数をきちんと把握して減価償却期間を知っておく必要があります。
会計に正しく計上できるように国税庁が正式に耐用年数を定めていますので、ここでは代表的な看板の耐用年数を見てみましょう。
スタンド看板
スタンド看板は店舗の前や建物内などに置くタイプの看板で、場所を移動させやすいのが特徴です。
スタンド看板の耐用年数は
木製のものなら3年、金属製のものは10年となります。
電飾看板
電飾看板は店舗の前に置くタイプの看板で、電気で明るくして看板を目立たせることができます。
電飾看板の耐用年数は、
移動可能なものに関しては3年です。
袖看板・突き出し看板
会社や店舗名を表示するために、建物の壁に設置されているタイプの看板です。
建物付属設備として分類されるため耐用年数も長めに定められており、
金属製のものは18年、それ以外の素材のものは10年となります。
野立て看板
交差点や電車の窓から見える空き地、ビルの屋上などに設置されている独立型の大型看板です。
野点看板の耐用年数は
金属製のものは20年、それ以外の素材のものは10年です。
デジタルサイネージ
デジタルサイネージは液晶モニターを搭載したハイテク看板で、コンパクトなものから大型まで色々なタイプがあります。
デジタルサイネージの耐用年数は、
サイズに関わらず3年となります。
耐用年数と看板シートの寿命は異なる
看板の耐用年数は国税庁によって定められていますが、耐用年数が看板の寿命というわけではありません。
耐用年数とはあくまでも減価償却の期間を明確にするために、減価償却資産ごとに定められています。
実際に耐用可能な期間は国税庁の定める耐用年数よりも長くなります。
また、看板を設置する場所によっても、看板の寿命は大きく変わってきます。
海に近い場所に設置する場合は素材によっては劣化しやすくなるほか、人通りの多い場所に設置するとぶつかるリスクがあり、倒れてへこみや破損の原因となることもあります。
看板の寿命を長くするには、耐用性を高めるために
定期的にメンテナンスすることが大切です。
少なくとも半年に1回のペースで文字がはがれていないか、土台の支柱やフレームにクラックや錆、ビスやボルトの緩みや変型など不具合はないか、電飾やデジタルサイネージはきちんと点灯しているのか配線やスイッチのチェックをするようにしましょう。
減価償却を上手に活用しよう
大型看板を作ろうか迷っている企業も、減価償却が適用されるなら会計上の負担を少なく経費に計上することができます。
購入費用を一括計上することで会計上の財務状況が悪くなり、融資を断られるという心配もありません。
減価償却を上手に活用し、企業のマーケティング効果を高める大型看板を制作してみてはいかがでしょうか。