ガラスは採光性に富んでいる一方で目隠しの効果がほぼ皆無であり、向こう側から丸見えになってしまう欠点があります。 フォグラスなどのウィンドウフィルムを貼ることで目隠しの効果を得ることができますが、フィルムを貼ることでトラブルに見舞われる可能性があるのも事実です。 ここではウィンドウフィルムによって起こるトラブルやフォグラスの効果的な扱い方についてお伝えします。

ガラスが割れる原因とフィルムの関係

ガラスの熱割れは温度の差で生じる

ガラスが高温の状態で晒されると熱割れが生じると言われていますが、これは一枚のガラスにおいて部分ごとに温度が異なるためです。ガラスは温度が上がると膨らみ、下がると縮む性質があります。 人の目では見えないほどのわずかな変化ですが、ガラスの部分ごとに状態の違いが生じるとお互いに圧力がかかった状態になり、遂には割れてしまうのです。 熱割れはガラスの一部分だけが高温になった状態で起こりますが、特に吸盤やテープなどが貼られている部分は日光によって温度が急激に上がり、熱割れを引き起こすのです。

フィルムによる熱割れ

ウィンドウフィルムは板ガラスに貼る装飾品の一種で、目隠しや遮光など実用的な目的の他、配色やデザインにこだわった物もあります。 ウィンドウフィルムのすべてが熱割れの原因になるわけではありませんが、ガラスに物を貼る行為は熱割れのリスクを増大させる事実を忘れてはいけません。 黒や紺などの暗色系のカラー系ウィンドウフィルムは熱を吸収しやすいので熱割れが起きやすいと言えます。 また、凹凸などの模様が描かれているウィンドウフィルムも日光を吸収しやすいので熱割れのリスクが高くなっています。 逆にミラーフィルムなど金属層があるウィンドウフィルムは日光を反射するので熱も溜まりにくく、熱割れが起きにくくなっています。 表面が滑らかなフィルムも日光を吸収しにくいのでガラスが割れる心配はほぼありません。

すりガラスにするメリットやフォグラスを扱う際の注意点

貼るだけで目隠しの効果が得られる

フォグラスは株式会社中川ケミカルの商品名ですが、透明なガラスをすりガラスのような見た目にするウィンドウフィルムの代名詞にもなっています。 そのため、中川ケミカル以外の会社が作ったフィルムでもフォグラスと称することは珍しくありません。 フォグラスを貼ったガラスはすりガラスと同様の状態になり、向こう側がほとんど見えません。 焦点が定まらない、ぼんやりとした見た目になるので動かなければ人がいても非常に分かりにくいと言えます。 プライバシーの保護や人がいることを意識させないなどの効果があるので待合室や会議室、休憩所など様々な場所に適しています。 フォグラスは貼り替えも難しくないので、傷んだら速やかに交換できます。

フィルムの寿命や交換時の注意点

透明ガラスにフォグラスを貼るのはガラス交換の出費を抑えるメリットがありますが、フィルムそのものが劣化してしまうデメリットもあります。 日光が当たる時間が影響するので一概には言い切れませんが、内貼りで約10年、外貼りで5年から6年ほどが交換の目安です。 外貼りは名前の通り、屋外に面している方へ貼ることですが、屋外は日光や風雨などの刺激に晒される場でもあるのでそれだけ寿命も短くなります。 傷んだフィルムを貼り続けるのは見栄えが悪いので速やかに交換することが大切ですが、貼り替えの際はシワや気泡が生じないように注意しなければいけません。 フォグラスの場合、シワなどが生じてしまうとすりガラスが持つ微小な凹凸を綺麗に再現できなくなります。 フィルムの強度も落ちるので、フォグラスを貼る際は出費が嵩んでもプロの業者に任せるのが賢明でしょう。

フォグラスの上手な扱い方

覗き見されたくない場所が最適

すりガラスのような見た目になるフォグラスは目隠し効果の高いウィンドウフィルムです。 浴室やトイレなどのプライベート空間を覗き見されないためにはガラス越しの風景を見えない状態にすることが効果的です。 フォグラスならガラスに貼るだけですりガラスのような見た目になることから、第三者に覗き見されるのを予防するのに役立ちます。 オフィスでは応接スペースの間仕切り板など、プライベートな空間を作るための設備に最適です。 製品ごとに視界の程度が異なるので、複数の製品を比較したうえで理想的な物を選びます。

サイズをしっかりと合わせる

フォグラスを貼る際にサイズを間違えるのはありがちなミスです。 目隠しを目的としている場合でもガラス全体に貼るか、目の高さの位置など部分を限って貼るかで必要なサイズが変わります。 サイズが大きいほど販売価格も高額化するので、場所によって貼る面積を変えるのが余計な出費を防ぎながら効果的に目隠しを施す工夫です。

ガラスを安全に扱うことを重視する

フォグラスによる目隠し効果はオフィスや家庭、公共施設など場所を問わず得られるメリットです。 しかし、目隠しによって向こう側がほとんど見えなくなる他、フィルムの色合いによっては熱割れが生じる可能性も否定できません。 プライバシーを守るなどフォグラスは快適に暮らすための便利グッズとも言えますが、正しく扱うことが前提になっているのも事実なので注意して扱うことが重要です。