耐水紙は種類が豊富?撥水紙との違いや特徴、用途を解説

店のメニュー表を作りたい、耐久性の高いポスターを作りたい。 そんな時に紙をラミネート加工する方法もありますが、耐水紙を使用するという選択肢もあります。 機能的に似た様なイメージの撥水紙との違いや耐水紙の種類、どのような用途に利用されているのかなど、耐水紙について解説していきます。  

似ている撥水紙と耐水紙、違いを見てみる

紙の分類では耐水紙の他に撥水紙があります。 どちらも水に強そうな印象があるし似た様なイメージになりがちですが、原材料や製造方法を見てみると違いが分かってきます。  

#耐水紙

耐水紙は名前の通り、水に強い紙という特徴があります。 屋外での使用を想定して作られている用紙で、水に濡れても染み込みにくく、破れにくいのが特徴の一つ。 撥水紙に比べると耐水性はこちらの方が高いです。 紙にフィルムを合わせた複合紙やペット繊維を混ぜた混抄紙、合成樹脂などを混ぜ合わせたフィルム法合成紙などがあります。  

#撥水紙

紙の表裏両面に撥水コーティング処理がされている用紙で、水をはじく効果があります。 水をはじくという特徴から、インクも弾いてしまうデメリットがあり、インクジェットタイプの印刷には向いていません。 撥水紙を使用する場合、トナーをレーザーの熱で固める方式のレーザープリンターでの印刷が向いている種類もあります。 手書きも可能ですが、水性インクだとインクジェット印刷と同様に弾いてしまう場合がありますので、ご注意ください。 短時間で水に濡れた場合は弾くのですが、長時間での耐久性はありません。 長時間濡れている状態だと徐々に水が浸透していくものもあります。  

ここ近年で増えつつある耐水紙の種類

水濡れや屋外使用にも強い事で人気のある耐水紙には、主に以下の種類があります。  

#ユポ紙

ユポ・コーポレーション独自の開発、特許取得をしているフィルム法合成紙です。 合成樹脂のポリプロピレンと天然鉱物の無機充填材を主原料に、微細な空孔を発生させながら作られています。 オフセット印刷、レーザープリンターも可能。 紙に近い印刷性能も持ちつつ、最も耐久性、耐水性に優れている用紙です。  

#耐水耐油紙ポエム-S

北越コーポレーション株式会社が開発した耐水耐油加工がされている耐水耐油紙です。 ユポほどの耐水性はありませんが、無塩素漂白のECFパルプ100%使用しており、リサイクルもできます。 オフセット印刷、レーザープリンターも可能。 耐水耐油機能を持ちつつ地球にやさしい紙素材です。  

#OKレインガード

王子エフテックス株式会社が開発した印刷用撥水紙です。 ユポほどの耐水性はありませんが、天然パルプ100%の上質紙をベースに作られているので自然環境にも配慮されています。 オフセット印刷、レーザープリンター印刷、筆記も可能です。 OKレインガードは一般品の他、Y目のCoC 一般品、蛍光染料未使用のナチュラルの3種類があります。  

#ストーンペーパー

台湾龍盟科技股有限公司が開発した石灰石が主原料の紙です。 紙よりも若干、重さはありますが、耐水性や筆記性があり、強度もあります。 プリンター印刷は一部を除き非対応と限られる面はありますが、紙製造時の森林伐採・水質保持・CO2削減を意識したエコロジー素材の紙として注目されています。 紫外線により劣化分解する特徴から、屋外での長期使用は向いていません。  

#LIMEX(ライメックス)

こちらも石灰石を原材料とする耐水性の高い用紙ですが、日本の株式会社TBMが開発しています。 撥水性、耐水性、耐久性があり、筆記も可能です。 紙の製造加工に関わる水、木、石油を使用せずに作られるので、エコロジーな用紙として注目されています。 ストーンペーパー同様、可視光や紫外線により劣化分解する特徴から、屋外での長期使用は向いていません。  

耐久性が高い耐水紙の用途

耐水性が高い用紙は耐久性も高いものが多く、様々な利用用途があります。 ・屋外ポスター ・飲食店のメニュー ・包装紙 ・紙袋 ・食品ラベルやパッケージ ・会員証 ・ポイントカード ・診察券 ・屋外使用目的のメモ帳 ・屋外スポーツのスコアガード ・ハザードマップ ・封筒 ・地図 ・マニュアル冊子 ・店舗のPOP ・紙パック、紙コップ ・紙ストロー   上記は一例となります。 先述している耐水紙の種類ごとに特徴があり、出来る範囲に違いがありますが、これからさらに耐水紙の需要は増え、用途も増えてくる事が予想されます。  

耐水紙を活用してエコにもつなげる

私たちの身近なところでもメニュー表やポスター、包装紙など耐水性の高い用紙を生かした用途がたくさんある事がわかりました。 耐水性が高いと普通の紙よりも強度もある分、長く使えるという利点もありますので、エコロジーを意識して開発されている用紙の種類も多いです。 見た目には紙に見えても耐水性が高く、リサイクルが可能な用紙もありますし、更に耐水性・撥水性・強度を求めるようであれば、合成紙のユポがおすすめです。 紙の種類や特徴をふまえ、用途に合わせた用紙を選びましょう。

関連記事