ポスター印刷で使用される光沢紙の特徴と選び方

ポスター印刷の際に良く利用されるのが光沢紙です。 なぜ光沢紙が選ばれるのか?光沢紙の特徴やメリット、デメリット、選び方について解説していきます。  

光沢紙はこんな用紙

光沢紙は表面につや出しのコーティング加工がされている用紙です。 多層構造で表面に当たる印刷面から画像形成層、インク吸収層、白地調整層、ベース紙といった4つの層からなっています。 インク吸収層で素早くインクを吸収し定着させる事でにじみにくくなるため、鮮やかな色彩表現が出来るのも特徴の一つ。 ファイン紙やスーパーファイン紙も光沢紙にあたります。 厚みは薄手のものでは73kgで約0.05mmになりますが、かなり厚手の180kgになると約0.19mmと2㎜程度の厚さでしっかりとしている用紙もあります。 写真印刷に向いているため、写真用紙としても利用される事がある用紙です。  

光沢紙とコート紙の違い

光沢紙、コート紙共に光沢のある用紙なので同じように見えるかもしれませんが、若干の違いがあります。 光沢紙は紙の表面にコーティングがされていて光沢があり、インクの速乾性にも優れている用紙です。 一方、コート紙は塗工紙の分類で、上質紙などの表面にコート剤を塗布して表面加工を行う事で光沢感が出てきます。 インクジェットプリンターでの使用は光沢紙が向いています。  

光沢紙で作成されたポスターの特徴

光沢紙は印刷がにじみにくく、鮮やかな色彩表現を得意としています。 ツヤがあるといった特徴を生かしてポスターで利用される事が多い用紙です。 特に写真をメインとしたポスターや美容業界、ファッション業界においては表現力も重要視しているので、光沢紙は最適でしょう。 他にも人目に付く光沢具合、高級感を生かし、店舗やショップ、商品販促、イベント、企業、ブランド、メニュー、展示会などのポスターとしても最適です。 屋内、屋外どちらでも向いていますが、光沢の反射がきつく感じたり、耐水性の問題点などを考えると屋内のポスターとして利用される場合が多いです。  

光沢紙の用途

光沢紙は高級感ある光沢と細部にわたる色彩表現も優れているため、ポスター以外にも以下のような用途があります。   ・写真 ・ポスター ・カタログ ・パンフレット ・フライヤー ・チラシ   光沢紙には、通常の光沢紙と、光沢具合を抑えた半光沢紙があります。 光沢紙の光沢は特徴の一つでもありますが、光の当たり具合によっては反射して見えにくくなる箇所が出てくるという場合があります。 特に文字がある場合、文字が反射して読みにくくなるという可能性もあります。屋外展示の場合は太陽光による反射で見えにくいという際に、半光沢紙を使用するという選択肢もあります。 半光沢紙は光沢感を抑えた加工をしており、光沢紙に比べたら若干のツヤ感が残る程度で落ち着きのある仕上がりです。 半光沢紙は屋外で展示を予定しているポスター制作や、学会で使用する等、文字が割合的に多い印刷物に適しています。  

光沢紙のメリット

光沢紙のメリットは以下の点があげられます。   ・光沢がある分、高級感を感じる仕上がりになる ・にじみにくいので色彩表現が細かく表現できる ・普通紙に比べ耐久性もある ・コスト的にも扱いやすい ・インクジェットプリンターでの印刷に適している ・ベタ塗りでの印刷にも向いている ・速乾性が高い   光沢紙は普通紙に比べるとインクがにじみにくいため、細部にこだわった色彩表現が出来ます。 また、印刷用紙の種類によってはベタ塗りの印刷をするとムラが出たり浪打ち部分が出てしまうなど向いていない場合があります。 もしインクが全面的に乗るようなベタ塗り印刷部分がある場合は、速乾性の高い光沢紙や半光沢紙を使用した方がキレイに仕上がるでしょう。 写真など質感の良さや光沢のある仕上がりを求めるなら光沢紙は最適。 ポスターも光沢がある分、高級感のある仕上がりになります。  

光沢紙のデメリット

光沢紙は仕上がりがキレイといったメリットがある一方、以下のデメリットもあります。   ・表面加工の都合でレーザープリンタでの利用は不可 ・屋外では光の反射が強く見えにくい場合がある ・文字が多い印刷物では、光の反射で読みにくく感じる場合がある ・印画紙に比べると鮮明さ、質感などは劣る ・耐水性は合成紙の方が優れている   光沢紙は鮮明さがある分、写真やポスター印刷に向いていますが、より鮮明さ、質感を求めるという場合は印画紙の方が向いている場合があります。 また、普通紙より耐水性はある方ですが、水分は吸収する性質がある用紙なので、ユポ紙のような合成紙に比べると耐水性は劣ってきます。  

ポスター印刷の用紙選びに迷ったら光沢紙を

光沢感がある仕上がりから高級感もある光沢紙。 厚みもしっかりしているのでポスター向きの用紙といえるでしょう。 普通紙に比べるとインクがにじみにくく、写真をメインとした質感重視のポスターによく利用されています。 高級感ある仕上がりはポスター以外でもカタログやパンフレット、フライヤーに最適です。 宣伝用のポスター等の印刷で用紙選びに迷ったらまず光沢紙を候補に入れてみてください。

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